PHILOSOLPY

今の時代、不要なモノなら作りたくない。


「モノが溢れ、モノ余りの時代とも言われる現代日本において敢えて今から、エプロンを作る理由があるのだろうか」

この問いを抱えながら、知識経験のない当社がエプロンの制作に必要な生地メーカー、縫製工場らと企画を進めるなか、このエプロン作りを通じて今まで知らなかった業界の暗黙知を垣間見て、不要なモノではなく、必要なモノ、意味のあるものとしてこのエプロンを製品化し世に送り出そうという気持ちが固まりました。

Tシャツでもシャツでもジーンズでも、デフレだからなのか、最大手アパレルによる企業努力の賜物なのか、市場には低価格の衣料(しかも品質的にも悪くはない)に溢れています。エプロンも同様。安ければ数百円でも買えると知った時には驚きました。

今回、必要な工程ごとにそれぞれのプロの方々とやり取りをする中で分かったこと。安さには理由がある、という当たり前の事実です。


文章にすると、そのまんまな感じですが、それくらい私たちは、安いものを選ぶ際、その場で支払う金額だけに目を向けて、その支払った金額の裏側にあることは知ろうともしていないということはないでしょうか。私自身も時にそのような消費行動を行っていることも事実で、反省しました。

©︎Remei AG / Panoco Trading Co.,Ltd


◎ORGANIC COTTON 100%

化繊の入った生地、麻などエプロンに適した生地は沢山ありますが、カッポレではオーガニックコットン100%の生地のみを使用します。家庭用エプロンとしての実用性、耐久性と風合いと軽さのバランスを考え木綿にしました。

一般的に綿花の栽培には多量の農薬(とくに殺虫剤)が使われており、土壌や栽培に従事する人々を含め動植物生態系への影響も大きいと言われています。
また綿花が栽培される国・地域での栽培に関わる人々の人権に対する関心も高まっています。

カッポレのエプロンで使用するオーガニックコットンは、オーガニック・テキスタイルの世界基準であるGOTSの認証を得ている木綿原糸または生地を使用しています。まずは「bioRe PROJECT」によるインド・タンザニアの産地で栽培されたオーガニックコットンを採用いたしました。

児童労働や不当な搾取のない人権に配慮された農地で健全な有機農業が行われた産地の綿花のみを使用しています。生産面、人権的な配慮だけなく、環境性、地域社会の課題解決に貢献しているそうです。綿花は国際的な第三者認証機関により、検査・認証されています。

このGOTS認証されたオーガニックコットンの原糸を国内工場でNOC(日本オーガニックコットン流通機構)の定める加工基準に則り)生地として生産されたものを使用します。

日本国内における綿花、とりわけオーガニックコットンの栽培は非常に生産量が少ないのが現状です。将来的にはぜひ利用できることを願っています。


◎国内縫製100%

日本には世界シェアTOP5に入るミシンメーカーが5社あるそうです。JUKI、brother、蛇の目ミシン。家庭用、工業用と用途は違うそうですが、それだけ国内において縫製業が盛んだったことがわかります。

戦後の国内縫製業は高度成長期とともに活況だったそうですが、時代が移り徐々にコストを理由に国内外のアパレルメーカー主導でアジア圏での生産が増え、国内の縫製業は(他の産業同様に)厳しい状況となっているそうです。

今回は大阪府で1955年創業の縫製工場様とご縁いただきまして縫製含め制作をお願いすることになりました。現在も大手アパレルメーカー様のお仕事もされる老舗工場様です。カッポレは大量生産の企画ではありません。技術の確かなプロの方々にお願いしたいと思いまして、国内縫製でゆきます。

◎BISINESS PHILOSOLPY

このように原材料の製造を含め制作の全てのプロセスを把握することができ、このエプロンの価格に含まれている背景についてもお求めいただく製品と同じように興味をもっていただけると嬉しいです。

ジェンダーレスなエプロンをなぜ作るのか?それをビジネスにするのかという問には、ピーター・ドラッガーの「企業の目的は顧客の創造である。」という名言に集約されていると、改めて思いました。

私たちは、ジェンダーレスなエプロンを着て、日々の台所仕事を楽しむ人々を顧客としてお付き合いしたい。つまり、今まで無かったジェンダーレスなエプロン市場が生まれるということで、世の中が今より少し楽しく明るくなるだろうと信じています。

きっと、料理もできる山岡士郎さんは自らこのエプロンを買ってくださるでしょう。私たちはその少し先、マスオさんやさくらひろしさん、そして波平さんや友蔵さんがサザエさんやフネさん、さくらすみれさんらとエプロンを着て台所仕事を楽しむ日が近いうちに実現することを楽しみにしているのです。

やがてキッチンにジェンダーという概念が無くなること、つまり文化として根付き成熟してゆく一助になりたいのです。